老いの楽しみ  
                                





奥さんと一緒に
モンブランにて
2011年7月
 松井健児さん  
 老いは誰にでも来ますし避けられません。しかし体力が衰え初めても、それを補う何かがあれば心は元気に保つことができ、身体の老いを受け止められると言われています。この何かとは・・・。

今回、松井健児さんから「老いの楽しみ」を投稿して頂きました。
皆様一緒に考えましよう。     
イラストは編者挿入
    
     
 もう3・4年前になるが、久しぶりに元社長の鶴巻さんにお会いしたとき、いきなり『ケンチャン、老いっていいもんだね。こんなに楽しいものだと思わなっかたよ。』と言われた。常々『人生は20年ごとにやってくる多少中身の異なる青春の繰り返しだ。』と考えている小生にとって、まったく同感であった。

これは、万年幹事を務めている大学の同期会で最近話し合った [老いの楽しみ、または老いのメリット] についてのレポートです。因みに参加者は日本男性の平均健康寿命を15年越えた85,86歳の20名です。  
  
 全員が謳歌しているのは自由である。すなわち、自分のために時間が自由に使える。義理の付き合いから解放されている。社会的束縛がない。不愉快な人間とは付き合わないですむ。外出したいときは出かけ、寝たいときに寝る。新しい趣味に挑戦し今まで味わったことのない喜びを見出す。宇宙の神秘・遺伝子等の最新知識を吸収しようと読書し、また昔読んだ書物を読み返し新たな理解が生まれて驚く。次に多く語られたのは、体力の落ちた妻の家事を助けているうちに、夫婦間がますます親密になり、二人で過ごすゆっくりした日常生活を楽しんでいることである。   


 80歳も半ばを過ぎると、癌その他の大病による死よりも自然死―すなわち老衰死の可能性が高くなる。これは或る歳以上生きた人の特権であり、死の恐怖から解放されてくる。若い時には異性を意識しすぎるためか異性の友人が少ない傾向にあるが、性差が少なくなった後は気楽に友達になれる。女性は長生きである。年取ったら女友達を沢山作ろう。 
 人生には次々と障害が起きてくるが、対処法に過去の経験が生かされ、無駄な抵抗はしないという達観も生まれやすくなる。人生はそれぞれの段階で楽しみに満ちている。
  
     
    2014年10月7日  松井健児  記