阿部(信)さん 

 何かのきっかけで過去の出来事や風景を、その時の気持ちとともにふと思い出すことがあります。過ごした時間と加齢のせいか、思い出すことは学生時代や定年後の出来事よりも現役時代の出来事の方が多い様に思われます。もちろんそれらには、楽しいことばかりではなく忘れてしまいたいことも同じくらいにあります。
 1980年(昭和55年)に事務系社員として昭和石油に入社した私は、静岡支店、大阪支店、中央研究所(神奈川県厚木市)、近畿支店、本社総務部と異動しソーラーフロンティア(厚木リサーチセンター)で定年を迎えました。その間、静岡で合併を経験し、合わせて約14年を過ごした大阪ではバブル景気と阪神淡路大震災を経験しました。多くの方々にお世話になり、楽しい思い出も辛い思い出もたくさんありました。
 添付の写真は、2度目の大阪(近畿支店)勤務時である2011年(平成23年)4月に陽気に誘われぶらりと出掛けた京都市内の満開の桜です。1ヶ月前には東日本大震災が発生し、関西も自粛ムードに包まれていました。
 毎年、梅が咲き桜の開花を待ち望むこの時期にふと思い出す風景です。コロナ禍の中、今年も彼の桜は見事に満開となることでしょう。
 2022年2月15日掲載