「カナダ・オイルサンドからクリーンな燃料油の製造開発研究」 
石油分析化学研究所  研究所長   
工学博士(大阪大学)技術士(化学) 
 藤田稔さん 

要旨
1980年元通産省により国家プロジェクトとして「新燃料油開発技術研究組合」が設立され、藤田が研究管理委員長を命ぜられた。日揮と共同で標記の研究を行った。
研究助成金は1990年までの10年間に25億円交付された。昭和シェル石油の開発研究所で基礎実験、応用研究、を行い1985年に中間的に英文報告書を作成した。通産省の命により1985年9月-10月にカナダ・オイルサンド調査団が結成され出張した。
団長は藤田で団員は日揮1名、出光2名、日本経済研究所2名、石油公団1名、組合事務局1名の構成であった。カナダの各地を視察し、研究討論会もおこなった。カナダの合成石油の製造方法を検討した結果、いくつかの欠点を見いだし、帰国後の研究で改良した。
結論として、1,世界初の合成石油の製造プロセスを開発した。2,VとNiを高効率で分離する脱金属触媒を発見した。3,クリーンな燃料収率はカナダの製油所より10パーセント高かった。カナダにおける工業化の夢を持続している。

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以下、図の説明をつける。
図-1表題 図-2カナダ全図と出張経路 図-3バンクーバー スタンレー公園にて
図-4オイルサンド露天掘り状況 図-5地上より50m下までオイルサンド層
図-6
採掘現場 図-7女性の見学者案内人 図-8シンクルード製油所 20万バーレル/日
図―9 シェルピースリバー採掘所 図-10シェル提供小型ジェット機10人乗り
図―11 油層内(地下500m)オイルサンド採油方法 図-12オイルサンド油採油装置
図-13日本オイルサンド工場 久米所長 図―14 美しいレイクルイーズにて

図-15 カナダ女性と英会話 図-16雪のバンフスプリングホテル
図-17オタワ市国立研究所 CANMET 図-18研究所員とともに 
図-19研究所の組織と研究
テーマ 図-20国立農事試験場にて 市川さんは観光バス添乗員
図-21「カナダの
国花(カエデ)夕陽に映える」帰国後内陸工業団地写真コンテストにて金賞受賞
図-22
各種重質原油の性状 図-23 合成原油開発プロセスフロー
図-24昭和シェル研究所 上が商品研究所、下が開発研究所
図-25触媒探索用実験装置 図-26脱金属触媒の発見 図―27ポアサイズの異なるシリカゲル担体
図-28X線マイクロアナライザーによる触媒中のV、Niの堆積状態
図-29 V もNi も硫化物となって堆積している
図―30触媒1g中に0,8gの V とNi を担持している
図-31新潟製油所内に5バーレル/日のパイロットプラントを建設
図-32全プロセスフロー図 
 図-33 パイロットプラント運転中
図-34同 運転中 図-35パイロットプラント 遠隔操作室 (リモートコントロールルーム)
図―36全物質収支表 図-37
精製油の詳細な性状表
2023年に日本技術士会化学部会で講演発表
 2024年4月15日掲載