河童を模るJR九大線 田主丸駅駅舎
久留米のJR久大本線田主丸(タヌシマル)駅の駅舎です。平成4年第三セクター方式で新装。河童の顔に見える様に設計されてます。背景は東西30キロの耳納(ミノウ)連山。2000年前に動いた耳納断層の断層崖です。撮影者の後ろ数キロには、大河、筑後川が流れてます。昭和28年上流域に夜明ダムが完成し、暴れ川と呼ばれた筑後川も大人しくなった。この大人しくなった事が、カッパを愛する地元の方々がこの駅舎を誕生させる動因になったと思います。この辺りの産業は基本的に農業。米作り、庭木の苗の栽培、また近年では巨峰ぶどうの産地として有名。毎年時期になると、苗木購入、巨峰農園に観光客が殺到します。いまから数百年程前に目を移しましょう。当時の夜は漆黒の闇です。夜会の折は月明かりで歩く。その恐怖は相当なもの。心持ちがゆるい時、そこに激しい河童憑きの状況が誕生する。怖いものを逆に愛する。日本人の精神病理の一つですね。
                   (九州支部・小脇 宏さん提供)