豊平館(開拓使建造西洋ホテル)
豊平館は、1880年(明治13年)の文明開化期に、北海道開拓使が建造した西洋式ホテルです。その頃、日本には完全な西洋式ホテルはほとんどなかったようです。当時北海道の開発指導の為、外国人を招聘していましたがその宿泊用につくられたもので、明治政府が建設した唯一のホテルです。最初の宿泊者が明治天皇であった事と、その後大正天皇、昭和天皇がいずれも皇太子時代に宿泊し、天皇家3代にわたり利用した事で由緒あるホテルとなりました。

豊平館は、札幌市の公会堂、戦争中は日本軍師団司令部、戦後はアメリカ軍に接収された歴史を経て、1957年(昭和32年)現在の中島公園内に移築、復元され結婚式場等に活用されています。

また、豊平館は天皇ゆかりの場所として昭和初期に史蹟に指定されていましたが戦後解除され、1964年(昭和39年)に改めて明治時代の歴史的建造物として重要文化財に指定されています。

(北海道支部・伊場 正能さん提供)